事例①土地(更地)を売却した場合の税金

Aさんは、自身で所有している土地(建物の無い更地)を売却することになり、不動産会社に査定を依頼。

その後、媒介契約を締結。いくつかのお問い合わせがあり、1,000万円で購入する方が見つかりました。


売買契約を締結し、1ヶ月後には引き渡しも完了。代金1,000万円を受け取り、不動産会社に仲介手数料を支払って全ての取引が完了しました。



さて、このときにAさんにかかる税金は一体いくらで、いつ、どのように支払えばよいのでしょうか。


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長い記事です。読みづらい方は、青文字赤文字黄色いマーカー部分のみ読んでください。
それも面倒な方は、赤文字のみお読みください。



<STEP1 どんな税金がかかるのか?>


まず、このときAさんにどんな税金がかかるかというと・・・

①所得税
②住民税
③復興特別所得税(平成49年まで)

の3種類です。便宜上、これらをまとめて『譲渡所得税』と呼んだりします。


<STEP2 売却した不動産の状況>


では、この3種類それぞれ一体いくらで、全部でいくら支払えばよいのか。

それは、売却した不動産の状況によります。
ここではAさんと不動産の税金にかかわる状況を以下のように設定します。

売却不動産・・・1筆の土地。建物なし。10年前にAさんが当時700万円で自身で購入。購入当時の土地や取得経費の領収証はすべて揃っている。

これを基に、税金を計算してみます。


<STEP3 譲渡所得金額を計算する>


譲渡所得税は、譲渡所得金額に定められた税率をかけることで算出できます。
そのため、まずは譲渡所得、つまり不動産を売却したことによりいくらの所得があったことになるのかを確認します。

Aさんは、10年前に700万円で購入した土地をこの度1,000万円で売却していますので、単純に考えると300万円の利益があることになります。
しかし、不動産の購入・売却ともに仲介手数料などの経費が発生しており、これらは取得費・譲渡費用として計上することを認められていますので、これらを確認します。

Aさんの保管している領収証を確認しました。

(取得費)
・仲介手数料  283,500円
・印紙税      10,000円
・登記費用   150,000円
・不動産取得税   70,000円
 合 計     513,500円

(譲渡費用)
・仲介手数料  388,800円
・印紙税      5,000円
・測量費用   200,000円※
 合 計     593,800円

※測量費用を譲渡費用に含める場合は、売却時に契約の条件となっていたり、買主からの要望に応じて行った場合等、売却のために行ったものに限られます。

以上より、譲渡価額(いくらで売却したか=1,000万円)、譲渡費用(売却にかかった経費=593,800円)、取得費(10年前に土地を取得したときの購入代金と、取得にかかった経費=7,513,500円)を確認することができました。

譲渡所得金額は、収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+譲渡費用)で計算されます。
上記の数字を当てはめると、

譲渡所得金額=10,000,000円-(7,513,500円+593,800円)=1,892,700円

これで、税金を計算する基になる金額が計算できました。


                                      まだ続きます。ちょっと休憩・・・

<STEP4 税率は?>


ここまで来れば、STEP3で算出された金額に税率をかければ譲渡所得税がいくら発生するのかが分かります。

Aさんはこの土地を取得してから10年経過しています。
譲渡所得税の税率は、対象となる不動産を所有してどのくらいの年数が経っているのかで変わります。
分岐点は『譲渡した年の1月1日時点で』所有期間が5年を超えているかどうか、です。
5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超えている場合は長期譲渡所得と呼び、それぞれの税率は以下のようになります。

・長期譲渡所得
①所得税:譲渡所得金額×15%
②住民税:譲渡所得金額×5%
③復興特別所得税:①で算出された所得税額の2.1%

・短期譲渡所得
①所得税:譲渡所得金額×30%
②住民税:譲渡所得金額×9%
③復興特別所得税:①で算出された所得税額の2.1%


今回Aさんは長期譲渡所得ということになります。


<STEP5 税額の計算>


STEP4で確認をした税率をもとに、税額を計算します。

①所得税=1,892,700円×15%=283,905円
②住民税=1,892,700円×5%=94,635円
③復興特別所得税=283,905円×2.1%=5,962円

つまり、税額は全部で384,502円(※実際には100円未満の端数は切り捨て)となります。

上記の計算では煩わしいという場合は、
譲渡所得金額×20%(短期譲渡所得の場合は39%)
で①②の合計額を算出し、その税額に2.1%をかけて③の税額を算出すると簡単です。


<STEP6 税金はいつ、どのように支払うのか?>


譲渡所得税は分離課税であり、譲渡した翌年の2月16日頃~3月15日頃に税務署にて確定申告をして納税しなければなりません。

このうち①所得税③復興特別所得税については確定申告時に支払い、②住民税については確定申告後に住民税納付書が送付されますので、そちらで支払うことになります。


<まとめ>


税金を計算する手順としては、

(1)売却価額から取得費、譲渡費用を差し引いて課税のもととなる譲渡所得金額を算出
(2)譲渡所得金額に所有期間5年超なら20%、5年以下なら39%をかけて所得税と住民税の合計を算出
(3)(2)の税額に2.1%をかけて復興特別所得税を算出

という流れになります。

なお、取得費が譲渡費用を上回った場合(1,000万円で購入した土地を800万円で売却した)は、課税されません。

不動産を売却して現金化する前に、ぜひ税金の試算をしてみてください。


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